びびなび : インディアナポリス : (アメリカ合衆国) Indianapolis

空に閃光を放つ彗星のようなモーツァルトの出現がなかったら、音楽史はどうなっていただろう。間違いなく彼は、18世紀後半から19世紀にかけて、そして今日に至るまで、いつの間にか後景に追いやられた数多くの著名な作曲家たちを凌駕した。彼の "犠牲者 "の中では、ヨーゼフ・ハイドンが最も重要である。ハイドンは1760年代半ばから非常に有名になったが、後世への影響はあまりなかったようだ。ほとんどの聴き手にとって、ハイドンは過小評価されたままで、彼の後期の交響曲だけが頻繁に演奏されている--残念ながら。

このプログラムでは、あまり知られていないハイドンの2つの交響曲と、カール・シュターミッツ作曲の18世紀最高のフルート協奏曲という、モーツァルトの影に隠れてあまり聴かれることのないクラシック音楽をご紹介します。

ハイドンは神童ではなく、作曲が完全に成熟し、熟達を示すまでには30代に差し掛かっていた。彼は小編成のオーケストラ（IBOのサイズ程度）が与えてくれる可能性を試すのが好きだった。交響曲No.19（c. 1760）は彼の初期の交響曲の一つで、メヌエットがなく、イタリアのオペラのシンフォニアによくある管楽器の介入も限られている。緩徐楽章にはハイドンらしい忍耐と優しさが感じられる。一方、第43番は、ハイドンが強く敬愛したカール・フィリップ・エマニュエル・バッハの作風とは似ても似つかない、感情、コントラスト、驚きに満ちた、ハイドンの偉大な「熱狂と興奮」の交響曲のひとつである。メルクールという名称がどこから来たのかは不明で、19世紀になって初めて登場した。

カール・シュターミッツは、マンハイム宮廷楽団の名指揮者ヨハン・シュターミッツの息子である。ヴァイオリンとヴィオラの名手としてヨーロッパ中を旅し、パリ、ロンドン、ハーグなどには多少長く滞在したが、高給取りの安定した職を得ることはなく、貧困のうちに亡くなった。彼は主に器楽曲を作曲した。カルテット、交響曲、そして多くの協奏曲である。マンハイム楽派の慣例として、彼は管楽器のための作品を頻繁に書いた。その中には、1760年代から70年代にかけてロンドンで開発されたクラリネットや、鍵盤を加えた「モダン」なフルートも含まれている。彼の音楽イディオムは、父親よりも「古典的」であり、華麗で色彩に富み、愛らしいカンタービレを強く意識している。


クラシック音楽といえば、モーツァルトの名前がすぐに思い浮かぶが、私たちは、もしかしたらモーツァルト以上に多くの聴衆を魅了した、強力で人気のある他の作曲家の存在を忘れがちだ。覚えておくべき2人の名前がある：ヨーゼフ・ハイドンとカール・シュターミッツだ。IBOは、カール・シュターミッツのフルート協奏曲（間違いなく18世紀最高の作品のひとつ）のほか、ハイドンの初期の交響曲第19番を演奏する。この交響曲第19番は、まだ伝統的なイタリア・オペラ序曲に似ているが、ハイドンのキャリアの後半に特徴的となった、典型的な優しい短調の緩徐楽章をすでに備えている。交響曲No.43は、成熟したハイドンを、卓越した表現力と驚くべきシュトゥルム・ウント・ドラングのスタイルで見せてくれる。忘れてはならない音楽…